イクタケマコトのブログ

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まさかの続き

 我らが犬猫ニャンワンズのことをちょっと書こう。前身のワンニャンズは、5人の野球経験者が誰となく言い始めたのがきっかけで結成された。チーム名は全員犬か猫を飼っていたから。何ともいい加減なと思うかもしれないけれど、チーム名なんて意外とそんなものだ。左利きが多い「左々レフトーズ」。茶道愛好家の「ワビサビ・サドーズ」。一番ひどいのになると「野球ベースボールス」なんてのもある。ぼくらの「犬猫ワンニャンズ」が良心的なチーム名だと分かってもらえただろう。

ワンニャンズは、ほぼ全員を野球経験者で揃えた。

1番、セカンド、三毛猫を愛する本田。
2番、ショート、雑種大好き河崎。
3番、センター、黒猫配達人、家川。
4番、ファースト、土佐犬トップブリーダー小窪。
5番、レフト、顔が犬っぽい松仲。
6番、ライト、シャムネコ3匹に囲まれた田村。
7番、サード、散歩コースは20kmの末田。
8番、キャッチャー、今は3DSで我慢している山先。
9番、ピッチャー、猫顔の杉家。

 野球の実力は枚数の関係で割愛するが、9人のうち7人が野球経験者で、そのうち小窪と河崎の2人は甲子園にも出場しており(レギュラーか補欠なのかは絶対に教えてくれない)残りの2名もWBCを生で見たという強運の持ち主なのである。

 しかし、ワンニャンズは18連敗を喫してしまった。これだけのツワモノを集めても勝てないのは、リーグのレベルが高いわけではない。ワンニャンズは9人しかいないのである。つまり、誰かが遅刻をすると大変なことになる。なあなあの草野球だから滅多な事(ベジタブルズのように全員が動けないレベル)でないと試合放棄にはならない。試合開始を遅らせ、何とか先攻に頼み込んだりタイムを要求したりも、はじめの内は仕方ないと笑っていた相手も仕舞いには、誰もいないセンター返しの集中砲火を浴びせてくる。

 一度、ショーテンズの女将に難癖をつけられ3人が来られなかった時は散々たるものだった。流石に中止にしようかと思ったが、グラウンド使用料もバカにならない。我々の先攻で始まり、ヒットとフォアボールで無死満塁。小窪のヒットで2点先制。松仲三振、田村のゲッツーで攻撃終了。1回裏の守備は、ピッチャー、キャッチャー、ファースト、サード、ライト、センターの守備に散ったが、予想通り無茶苦茶だった。ショートゴロはレフト前にころころ転がり、2番をサードゴロにしとめたが、いつもの癖で華麗な送球をセカンドに投げても誰もいない。矢のような球がこれまた誰も居ないセンター方向へ。クッションボールを処理したライトが送球を試みるも後の祭り。

 普通ならこれでもう辞めようと言い出すのだろうが、相手が悪かった。是非続けたいと言い、普通ならアウトになる守備と守備の間のいやらしい所にぽとりと落とし、セカンドにカバーに入れば間に合うかもしれないというギリギリのタイミングののろい盗塁を仕掛け、8点目にまさかのスクイズ。「ワビサビ・サドーズ」。そう、彼らは根っからのS。サドの集団だったのだ。地獄のような1回裏が17点でようやく終わり、さあ攻撃だと思ったのも束の間、そこからが本当の地獄だった。ワンニャンズは7~9番の3人がおらず、自動的に3アウト。休むまもなく2回の裏の守備につかなくてはならなかったのだ。この精神的ダメージは相当大きく誰もが肩を落としたと同時に、サドーズのS心に火をつけた。

 プレイボールから1時間後、女将の言いがかりから逃れた3人がグラウンドで見たものは。


 次の日、試合に参加していた3人がワンニャンズを去った。それは9人しかいないチーム、ワンニャンズのシーズンの終わりでもあった。

 それでも、残ったメンバーは来シーズンに向け補強を行い何とか11人(!)を確保した。しかし、そこで問題が起きた。守備位置や野球技術に関してではない。今回の補強で加入した選手は、ワンニャンズというチーム名に相応しい犬猫好きだった。というより、野球の実力よりも犬猫好きを優先した。その結果、以前は犬5:猫4だったのに対し、犬5:猫6と逆転したのである。チーム名に犬と猫の名前を入れようと言うのは全員一致だった。しかしどちらを先にするかで大いに揉めた。結局、犬派が多いということで「犬猫ワンニャンズ」に決定したのだった。


 猫派は被っていた猫を脱いだ。顔が犬っぽいが猫派の松仲が口火を切った「猫と犬の立場が変わったのだから、チーム名も猫犬にすべきだ」 しかし、犬派の猫顔杉家も黙ってはいない。「いや伝統を守るべきだ」猫派「18連敗の伝統なんぞくそくらえだ」犬「うるさい泥棒猫」猫「尻尾振ってどっかいけ」犬「顔洗って出直して来い」猫「棒に当たってくたばれ」犬「ねこんでしまえ」猫「ばか」犬「あほ」猫「うんこ」犬「しっこ」

 ケンケンビョウビョウとなった騒ぎに終止符を打ったのは、新加入鶴田の一声。「あの、もし猫犬になったらユニフォームを買い換えなきゃですよね」これには猫派も参った。犬猫ワンニャンズのユニフォームは胸に「InuNeko」と描いているのである。猫派は小判の価値を知っている。それはさすがに懐に厳しい。ユニフォーム新調のためにネコババは出来ない。猫にあった鼠のように大人しくなった。犬派たちは一斉に西を向き勝ち誇り庭駆けまわっていた。が、その間に、ユニフォームに影響のない「ワンニャンズ」を「ニャンワンズ」に変更してしまったのだ。その夜、町内では犬の遠吠えが響き渡ったという。こうして犬猫ニャンワンズはとチームはなくなった。


 ちなみに。前述の「光が丘ショーテンズ」は泥沼の裁判沙汰までもつれ込み、エース、4番、監督が一新されたのに「光ヶ丘ケッパクス」とちょっとしか変えていない理由もよく分かった。彼らのユニフォームは「Hikarigaoka」と刺繍されていたのだ。


 そして今シーズン「犬猫ニャンワンズ」としての戦いが幕を開けた。しかし、小窪河崎の主力2人が抜けたことと補強された人員が単に犬猫好きだっただけでは、相手チームに不運の重なった3試合だけを勝つのが精一杯だった。さらに「負けると不幸になる」という逆ジンクスが加わり、更に追い討ちをかけたのは、相手チームがことごとく「ニャンワンズ」と呼んでくれない。兎にも角にも、猫にも丸にも、犬にも三角にも、犬猫ニャンワンズはリーグワーストタイ記録の18連敗を喫したのである。


続く

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