イクタケマコトのブログ

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ままごと

「お父さん、おままごとをしましょう」
日曜日の昼下がり、6歳になる娘が話しかけてきた。私は自分の名前検索を止め、すぐさま「ままごと」を検索した。大人になってから、ままごとをしたことがないからだ。現代は全てが加速度的に進化する。ままごとも例外ではないだろう。

『ままごと・・・幼児が擬似家族になりきり、家事などをマネる遊び』

あまり変わっていないことに安心したのも束の間、スポンサーサイトにままごと道具の文字が躍る。そうか、ままごとも道具を買う時代なのだ。私は早速注文した。届け先は、もちろん今から向かう公園である。

それから娘と公園に行ったが、配達員はまだ来ていない。ままごとが出来なるか心配になったが、どうやら娘は、ままごとよりも遊具に関心がいった様だ。娘が言った。

「お父さん、鞦韆にのってもいい?」
「鞦韆?」

残念ながら、私は「鞦韆」が読めなかった。急いで検索をすると「ぶらんこ」だった。娘は、いつの間にこんな難しい漢字を覚えたのだろう。「そり遊びが好きなら、そりを運ぶことも好きになれ」(東北地方の諺)とは昔の人はよく言ったものだ。鞦韆は運べないが(笑)


さて、私にはやらなければならないことがある。それは娘との血縁解消だ。ままごとは「擬似家族」が前提なので、これをしなくては始まらない。早速、市役所のデータベースをハッキングし娘を違う人間の戸籍に移し変えた。住基ネットになって、こういうことが可能になるとは、つくづく技術の躍進には頭が下がる。その間、ままごとセットも到着し、いよいよ準備が整った。そして、鞦韆に乗っていた6歳くらいの女の子が「ままごとしよう」と言ってきたので、娘との予行演習も兼ねままごとをすることにした。

「お義父さん、おさらをとってください」「分かりました、お義嬢さん」

ままごとは順調に進んだ。娘の名前を呼ぶとすぐに返事をしたし、なぜかこのお義嬢さんも私の名前を知っていた。驚くべきことに、娘のクセまでソックリであり擬似家族という事を疑ってしまったほどだった。これが現代のままごとなのであろう。ただ、この女の子が届いたばかりのままごとセットを使おうと言ってきたのには閉口してしまった。これは、我が娘に買ったのであり、また開封するとヤフオクでの売値が下がってしまう。何とか葉っぱや木の枝を使うことで、事なきを得た。


さて、そろそろ娘とままごとをと思ったが、肝心の娘の姿が見当たらない。それに、もう日が落ちかけており、家に帰らなければならない。どこに居るのか検索(ググ)るために、パソコンを開いた。そうだ! 娘の戸籍を戻さねばならない。48時間以内、クーリングオフというヤツだ。他人のフォルダから娘のデータを私のお気に入りに写し終えると、娘がそこにいた。今まで一体どこにいたのか。しかし、親としては無事にそこにいることが何よりだ。その帰途「また、ままごとしようね」と娘が言った。私は「また?」と思ったが、笑顔でうなづいた。


後日談
ヤフオクで、ままごとセットが定価の8割で売れた。
「葉っぱと木の枝(使用済み)」が401円で落札されたのには驚いた。

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